「インド刺繍リボン、手にしてみたもののどう扱えばいいか、使い方がわからない……」
「刺繍リボンってどんなものなの?」
そんな疑問にお応えすべく、【インド刺繍リボン取扱説明書】シリーズ記事を始めました!
インド刺繍リボンの取扱説明書シリーズ第五弾は、「品質について」です!
当店「刺繍リボンのお店TRIP UTOPIA」では、刺繍リボンがインドから届いたら一本一本丁寧に検品を行い、品質が悪い部分を裁ち落としてからお店に並べています。
そうしてお客様の元へ極力美しい部分をお届けしているので、「刺繍リボンに違いがあるの?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
インド刺繍リボンは、インドで作られているためにどうしても品質にムラがあり、刺繍が乱れていたりスパンコールが抜け落ちていたりすることがかなりの頻度で見られるのです。
日本でインド刺繍リボンを購入する場合、ショップの検品レベルによって品質に差があります。
実際に購入するときは自分の目で確かめるか、品質管理をきちんと行なっていて信頼ができるショップを選ぶのがベストです。
せっかく手に入れた刺繍リボンの品質が悪かったらがっかりしてしまいますよね。
そんな気難しい一面を持つ刺繍リボンの品質について、品質の悪い箇所の画像を掲載して解説します!
そして、この記事を読むことで品質の良い刺繍リボンの選び方が分かります!
このブログでは、
・幼少時から家族の影響でハンドメイドが身近にあり
・2020年からインド刺繍リボンを販売している「刺繍リボンのお店TRIP UTOPIA」の店主が、
刺繍リボンに関する疑問に答えるコラム記事や、刺繍リボンを最大限活用するレシピを公開しています!
インド刺繍リボンの品質のムラとは?
刺繍の部分について
インド刺繍リボンは、基本的にミシンを用いて製造されています。
針がたくさんついた刺繍専用のミシンで、一気に刺繍の部分を縫いあげていくさまは圧巻です。
しかしミシンはとても繊細な機械なので、しばしば調子が狂って刺繍が乱れてしまうのです。
そのため、刺繍糸が切れてしまったり、絡まってしまったり、はたまた刺繍が緩くなってしまった部分などが商品に残ってしまっています。
時にはそういった不良箇所を修正した箇所も見られますが、修正後も完成度は低いです。
不良の一例を以下にご紹介します。
(これ以外にもいろいろな不良があります…)
・刺繍がずれている
刺繍の位置が明らかにずれています。
・刺繍が欠けている
刺繍がされていない部分があります。
・刺繍が乱れている
刺繍の糸がたわんでしまっています。
・刺繍糸が正常でない
中心のベージュの部分は刺繍糸の撚りが伸びてしまっていて質感がおかしくなっています。
・刺繍生地に穴が開いている
布地に穴が開いてしまっています。
(チュール素地やオーガンジー素地でも起こります)
・下糸が表に出てきてしまっている
ベージュ色の下糸が表に出てきてしまっています。
・つなぎ目の箇所
製造の過程上刺繍リボンのつなぎ目は不可避ですが、この部分は目立ってしまうので、当店(刺繍リボンのお店TRIP UTOPIA)では裁ち落としています。
スパンコールの部分について
スパンコールの部分はとくに不良が発生しやすいポイントです。
位置がずれていたり、抜けていたり、時には過剰についていることがあります。
スパンコールは、丸いパーツが無数に繋がった状態のものを一つ一つカットしながら縫い付けています。
そのため、スパンコールの端にトゲが出ることがあります。
トゲに関しては、お手入れをすることできれいに整えて使うことが可能のため、当店(刺繍リボンのお店TRIP UTOPIA)では不良箇所として扱っていません。
スパンコールの扱いについては当ブログの以下の記事も参考にしてください。
スパンコールの不良は以下のようなものがあります。
・スパンコールが抜けている
スパンコールが縫いつけられていません
・スパンコールが付きすぎている
スパンコールが多すぎになっています。
・不良を修正した箇所
スパンコールが縫えていなかった箇所を修正したのでしょうが、クオリティが低いためかえってこの箇所が目立ってしまっています。
押さえミシンについて
刺繍リボンは、
①一枚の大きな布に刺繍を施したのちに
②細長くカットされ、
③上下のふちを折りたたんで「押さえミシン」をかけることで完成します。
この③の「押さえミシン」の部分についても品質に差が出ます。
明らかに商品の完成度に影響が出るものもあれば、一見良品に見えるけれど布小物をお仕立てする場合には適さないものなどがあります。
不良は以下のようなものがあります。
・押さえミシンの位置がおかしい(刺繍が巻き込まれてしまっている・太さが大きく変わってしまっている)
刺繍の部分を巻き込んで押さえミシンがかけられてしまっています。
押さえミシンをほどいて縫い直すことで修正が可能ですが、当店では不良品として裁ち落としています。
・押さえミシンが縫えていない、押さえミシンの縫い代がなくなってしまっている
縫い代がなくなってしまっていて、押さえミシンが縫えていません。
汚れについて
刺繍リボンはときどき目立つ汚れも見受けられます。
ほこりの付着や、インク汚れなどさまざまです。
・ほこりが付着している
ほこりが一緒に縫いこまれてしまっています。
このほこりは除去しても汚れが残っていることが多く、不良として裁ち落とします。
・インク汚れ
インクのようなもので赤く色がついてしまっています。
青い汚れもときどきあります。
・汚れ
黒い油のような汚れが付いています。
土足で踏んでしまったような汚れもあります。
※はっきりとした汚れではなくても、刺繍リボンはうっすらと汚れが付着している場合があります。
特に白色の刺繍については汚れが付着しやすく目立ちやすいので、お仕立ての前にお洗濯をしていただくことでワントーン明るくなることがあります。
お洗濯については「取扱説明書シリーズ#4お洗濯について」をご覧ください。
品質のよい刺繍リボンの選び方
実際に手に取って刺繍リボンを購入できる場合、
・刺繍に乱れがないか
・スパンコールに乱れがないか
・おさえミシンは正常か
・ひどい汚れはないか
の4点を確認します。
オンラインショップで購入する場合は、注文前に
・ショップレビューを見る
・不良があった場合の交換を受け付けているか確認する
など事前にチェックを行い、信頼できるお店かどうかを確認してください。
インド刺繍リボンの流通が増えるにつれ、様々な方が刺繍リボンを販売しています。
人の手で作られ、検品されているためどうしても品質にぶれが生じてしまうことは避けられません。
しかし、せっかく楽しい気持ちで刺繍リボンを選んでくださったお客様が「なんだインド刺繍リボンってこんなものなのか」とがっかりしてしまうのを看過することはできません。
このブログ記事を読んでくださった皆様が、お気に入りの刺繍リボンを手に入れて幸せな気持ちになってもらえるお手伝いができれば幸いです。
刺繍リボンのお店TRIP UTOPIAでの品質管理に対する取り組み
当店(刺繍リボンのお店TRIP UTOPIA)では販売実績と経験値を積み重ね、検品基準をより良いものへと整えて参りました。
万が一お届けした商品に不良があった場合、誠心誠意対応させていただいております。
ショップのお問い合わせフォームよりご連絡ください。
刺繍リボンのお店TRIP UTOPIAでの不良品の取扱について
なお、当店(刺繡リボンのお店TRIP UTOPIA)では、検品で裁ち落とした不良箇所(縫製不良のみで、汚れの箇所は除いています)を含んだ刺繍リボンをまとめて「練習用B品パック」として不定期に販売しております。
「刺繍リボンが手に入ったのはいいけれど、勿体なくてお仕立てができない…」
「失敗するのが怖くてはさみを入れる勇気がない…」
というお声を多数いただくので、「気兼ねなく、失敗を恐れずに刺繍リボンの加工・お仕立てを楽しんでほしい!」という思いを込め、本来であれば販売できない縫製不良箇所入りのパックを作りました。
不良が含まれる刺繍リボンはしばしば作例製作やキット商品の試作等に利用しておりますが、時に大量に破棄せざるを得ないような状況に店主は歯がゆい思いをしておりました。
販売基準に満たない不良品ではありますが、皆様が少しでも勇気を出して刺繍リボンを活用いただけるように、そして貴重な材料を少しでも無駄にすることがないようにという思いのこもった商品となっております。
この【インド刺繍リボン取扱説明書】シリーズ記事では今後も基本的な情報を充実させてゆく予定です!
投稿した際にはTwitterやInstagramにてお知らせをしますので、そちらもフォローいただけると嬉しいです!
これからも皆様のお役に立てるよう、鋭意執筆して参ります!