【インド刺繍リボン取扱説明書#3】端処理について

刺繍リボンの取扱説明書

「インド刺繍リボン、手にしてみたもののどう扱えばいいか、使い方がわからない……」
「刺繍リボンってどんなものなの?」
そんな疑問にお応えすべく、【インド刺繍リボン取扱説明書】シリーズ記事を始めました!


インド刺繍リボンの取扱説明書シリーズ第三弾は、「端処理」についてです!
刺繍がたくさん施されていたり、ざっくり織られた布地やオーガンジーの土台が端からほつれてしまいやすかったり、刺繍リボンは気を遣うシーンが多いですよね。

刺繍箇所・布地のカット後の端処理についてまとめて参ります!

インド刺繍リボンの端処理について

端処理が必要な理由

端処理が必要な理由は、
・カットしたところから刺繍がほつれないため
・カットしたところから生地がほつれないため
の2つあります。

ほぼすべての刺繍リボンで、前者の「刺繍がほつれないため」という理由で端処理が必要になります。

後者の「生地がほつれないため」の部分については、刺繍リボンのベースとなっている布地の種類によって扱いが異なります。

刺繍リボンのベースには、布地(ポリエステル・レーヨン混が多い)・オーガンジー素地・チュール素地の三種類がメインで使用されています。
(そのほかにもベルベットなどもありますが、日本ではあまり流通していないため割愛します)

チュール素地だと布地はメッシュになっているため、それ自体ほつれる心配はありません。
そのため、刺繍の部分だけほつれ止めを行えばOKです。

布地・オーガンジー素地は、生地の織りの密度が低く、非常にほつれてきやすい素材です。
そのため、刺繍リボンのベースそのものにほつれ止めを行う必要があります

端処理のやり方

刺繍リボンの端を折り返す(接着or縫う)

最もかんたんな端処理は、リボンの端を折り返して接着or縫ってしまうことです。
これは、刺繍リボンを貼り付けて装飾する場合に使いやすい方法になります。

しかし、土台が布地の場合や刺繍が分厚いデザインの場合、折り返した部分に厚みが出てしまうのが難点です。

刺繍リボンの端を折り返して接着or縫う端処理は、厚みが出ても差し支えない場所に使うことをおススメします。

「ミシン」を使った端処理

ジグザグミシンをかけたところ

刺繍リボンは、通常の布地と同じように、ジグザグミシンやロックミシンをかけることで端処理ができます。
作品を仕上げたときに、表から見えない部分に刺繍リボンの端が来るときに使用します。

「ほつれ止め液」を使った端処理

刺繍リボンは「ほつれ止め液」を使用して端処理を行うことが可能です。

ほつれ止め液を切りっぱなしの部分に染みこませるようにして塗り、完全に乾くまで待ちます。
するとほつれ止め液が染みこんだ部分が固まって、糸がほつれてこなくなるというアイテムです。

ほつれ止め液を使った端処理は、刺繍リボンを貼り付けて装飾をしたいが厚みを出したくない場合におススメです!

注意点に、
・塗った箇所の色が濃くなる
・塗った箇所は少々硬くなる
・切りっぱなし部分にくる刺繍のステッチが長い場合うまく固まらないことがある
ということがあります。

よく見るとほつれ止め液を塗った箇所は色がひといき濃くなっています。

チュール素地の刺繍リボンは切りっぱなしの部分に出ている刺繍箇所にのみ塗ればOKです。
布地・オーガンジー素地の場合は切りっぱなしの部分すべてに塗り、刺繍・生地ともにほつれてこないように処理を行います。

ほつれ止め液を使用するコツは3つあります!
・ほつれ止め液を使用する直前にカットする(切り口が整っていると塗りやすく固まりやすい)
・液をしみこませるように塗る
・一度で固まり方がイマイチだった場合は二度塗りする(たくさん塗ると固くなるので程度に注意)

おまけ:「ボンド」を使った端処理

当店のTwitterのフォロワーさんに、「ボンドを使っても端処理できるのでは?」とご質問いただきましたので試してみました。

試してみたのは、
①布用ボンド「裁ほう上手」(透明タイプ)
②手芸用ボンド(がま口を作るときに使用している白い液体タイプのボンド)
です。

どちらも使い方はほつれ止め液と同様ですが、これらのボンドはほつれ止め液と異なり生地や糸に染みこみづらいので、丁寧に薄くのばす必要があります。

①裁ほう上手(透明な液体タイプ)

①の裁ほう上手の仕上がりは、しっかり固くなっている感じです。
最初から透明なので塗った箇所は目立ちません。

裁ほう上手で端処理をしました

裁ほう上手には液体タイプとスティックタイプがありますが、今回は液体タイプを使用しています。

ほつれ止め液と比較すると粘度が高く、のばしにくいと感じます。
仕上がりが硬めではありますが、見た目に影響がすくないという点ではよい感じです!

ちなみに、裁ほう上手はお洗濯も可能です。

②手芸用ボンド(白い液体タイプ)

ボンドを使用して端処理を行いました。写真では分かりにくいですが、塗った箇所が少しテカります。

②で使用したボンドはよくある白い液体タイプで乾くと透明になるものです。
ボンドでも布と糸は固まりますが、ボンドは繊維に染みこんでいかないため表面だけ固まっている状態です。

また、よく見ると縫った箇所は透明になったボンドがてかてかします。
注意点は、ボンドをのばす際に生地をほつれさせてしまわないようやさしくのばすこと、塗った箇所が目立ってしまうので薄く塗ることです。

固まった箇所は硬く感じます。

また、このボンドは水に弱いためお洗濯をすることができません。


結論としては「塗って固めるのならば、染みこんで固まるという点でほつれ止め液が使いやすい」です。
実際、①②ともにほつれ止めを試している最中、少し傾いてカットした端にボンドを伸ばそうとしたら繊維を崩してしまい、ちょっとほつれさせてしまうことがありました。

まとめ

刺繍リボンの端処理には、
・布端を折って縫うor接着する
・ジグザグミシンやロックミシンをかける
・ほつれ止め液をつかう

のが有効です。

目的や目指す仕上がりによって使い分けてみてくださいね!
もし「こんなやり方できれいにできた!」という発見がありましたらぜひSNSなどで教えていただけると嬉しいです!


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