豪華な刺繍がたっぷり入ったインド刺繍リボン。
これってインドでどうやって生まれたの?何に使うものなの?
と疑問に思った方もいらっしゃると思います。
この記事では、
・インド刺繍リボンがどうやって生まれたのか
・実際にインドではどのように使われているのかを、
2020年からインド刺繍リボンを販売している「刺繍リボンのお店TRIP UTOPIA」の店主が解説します。
記事の最後には、刺繍リボンを私たちが使うためのアイデアを紹介します!
もくじ
インド刺繍リボンはサリーのふち飾り!
インド刺繍リボンは、もとはサリーのふち飾りとして誕生しました。
サリーとはインド女性の民族衣装で、
幅は90cm~120cm、長さは5m~8mの大きな長方形の布地です。
この一枚の大きな布を体に巻き付けるように着用します。
サリーは現在でも普段着から冠婚葬祭まで、幅広いシーンで着用されているんですよ。
そして、インド刺繍リボンは英語ではサリーボーダーと呼ばれています。
つまり「サリーのふちかざり」という意味ですね!
残念ながらいつ頃から刺繍リボンが生産されるようになったのかは分かりませんが、
刺繍リボンはサリーのふち飾りとして生産されています。
では、具体的にどんなパーツなのか見てゆきましょう。
サリーのパーツとしての刺繍リボン
サリーのどの部分が刺繍リボンになっているかというと、ここ!
サリーは巨大な一枚布ですが、
体に巻き付けたときに美しくデザインが見えるように柄が配置されています。
「サリーのふち」は、着用した時に胸元や裾の部分に出てくる部分にあたるのです。
そして、インド刺繍リボンはサリーのこの部分を切り出したパーツで、
現在刺繍リボンとして販売されている1巻は約8mあります。
もし120cm×500cmのサリーのふちに、ぐるりと一周縫い付けようとしたら、約1240cm必要になりますね!
ちなみに、これまで刺繍入りのサリーの話をしてきましたが、
刺繍入りのサリーはサリーの全てではありません。
美しい色と模様に染め上げられたものや、
カラフルに織り上げられたものなど、そのお仕立ての種類は多岐にわたります。
サリーはインドのいろいろな地域でそれぞれルーツをもち、
様々な素材やデザインで作られています。
じつはサリーは、布にふち飾りを縫い付けて作られるよりも、
一枚の大きな布だけで作られているものが宗教的によいものとして扱われてきました。
ヒンドゥー教の教えでは、裁断・縫製されていない布地を身にまとうことが清浄であると考えられているためです。
ではそんなサリーのふち飾りである刺繍リボンは、インドでは実際どのように活用されているのでしょうか?
サリーのふち飾り=刺繍リボンの活用方法は?
サリーのリメイクと切り離せない「ふち飾り」
刺繍リボンそのものの活用の前に、サリーのリメイクについてお話します。
インドのサリーは、日本でいうところの着物のように、
着古したのちも最後まで余すところなく利用されています。
ユーズドサリーのリメイクは、各家庭で古くから行われてきました。
サリーは大きな1枚の布なので、そこから別の形の衣服にリメイクしやすいのです!
シルクの高価なサリーは、サリーの中に着用するブラウスやペチコートにリメイクすることもできます。
ずっとお気に入りの服を身に着けることができるのは素敵ですよね。
サリーの中に着用するブラウスやペチコートだけでなく、それ一枚で着用できるワンピースやスカート、パンツなど、あらゆる衣服が作られます。
(ちなみに、お古のサリーはお洋服だけでなく、クッションカバーのようなファブリックインテリアにもリメイクされますし、くったりと柔らかくなったコットンのサリーは赤ちゃんのおくるみにすることもあるのだとか。)
そして、衣服へのリメイクの際に、ふち飾りの部分(刺繍リボンの部分)も、スカートのすそやウエストマークに使われているのです!
刺繍リボンを活かした作品づくり
刺繍リボンそのものを買ってきて作品作りをしている人を見つけることはできなかったのですが、
サリーのリメイクの一環で、ふち飾り(刺繍リボンの部分)を主役にした作品も見つけることができました!
やはりふち飾りというパーツの特性からか、ポシェットやバッグ、ポーチなどの布小物の作り方の発信が人気なようです。
インドらしい、原色とゴールドのあでやかな組み合わせがとても豪華で素敵でしたよ!
デザインは、刺繍リボンを何本も並べて配置して(パッチワークのようにして)作られていましたね。
インドの人たちも、お気に入りのふち飾りは大切にとっておいて、形を変えて愛で続ける習慣があるというのは親近感がわきますよね。
刺繍リボンでサリーを飾る
サリーのリメイクは必ずしも別の衣装やものに作り替えるだけではありません。
飽きてしまったり、くたびれてきたサリーをお手入れして長く着られるように工夫をするのにもインド刺繍リボンは使われます。
シンプルなデザインのサリーのアクセントに、新しい刺繍リボンや保管しておいた古いサリーのふち飾りを飾りつけることで気分転換をしたり、
ふちが痛んでしまったサリーのお手入れのために、ふち飾りだけ交換ないし上から縫い付けたりすることもあるんです!
ネット上でも、サリーのリメイク作品がさかんに発信されていて、
(TouTubeではリメイクのHow To動画もありましたよ!)
インドの女性たちがサリーを愛し、大切に使い続ける素敵な姿を見ることができます。
また、私が取引しているインドのセラーさんには、サリー以外の洋服に刺繍リボンを飾り付けて楽しむこともあると教わりました。
実際に見せてもらった写真では、デニムのジャケットに原色づかいの刺繍リボンを飾り付けてカジュアルなお洋服に仕上げていましたよ!
私たちはどうやって使えばいい?
刺繍リボンがインドでどうやって生まれ、どのように使われているかを知ることができました。
そしてあなたはきっと「じゃあ私は刺繍リボンを何に使えばいいんだろう?」と思いましたよね。
当ブログではインド刺繍リボンを余すところなく活用するレシピをたっぷりご紹介しています!
インド刺繍リボンは幅の細いものは名前の通り「リボン」として、
飾りを作ったり、ラッピングに使用したりすることができます。
ヘアアクセサリーやストラップを作れますよ。
幅が中くらいの刺繍リボン(幅5~6cm)は、既製品のポーチやバッグへの飾り付けがおススメ!
お裁縫なし、手芸用ボンドで貼るだけでかんたんにオリジナルの布小物が作れます。
幅が太い刺繍リボン(幅10cm前後)になると、ちょっとした布小物だったらそのまま作れます。
ファスナーポーチや巾着、カードケースなど、太い幅を活かして総柄の布小物は豪華な仕上がりになりますよ!
「インド刺繍リボンで何か作りたいけど何を作っていいかわからない……」
というあなたには、以下の記事もおすすめです!
まとめ
インド刺繍リボンはサリーのふち飾りとして誕生し、
現在では装飾用パーツとして生産されています。
インド国内では、サリーを長く大切に使ってゆくため、サリー自体をリメイクしたり、刺繍リボンをアレンジに活用しているのですね。
刺繍リボンの作り方や使われ方を知ると、ますます愛着がわいてきませんか?
調べているうちに、私は実際に現地で刺繍リボンを活用している女性に話を聞いてみることができたらいいのになぁ!と憧れを抱きました。
可愛いだけでなくインドの文化をぎゅっと凝縮したインド刺繍リボンを、
あますところなく楽しんで下さいね!
このコラム記事では今後何回かに分けて、刺繍リボンについての小ばなしを紹介していきます。
投稿した際にはTwitterやInstagramにてお知らせをしますので、そちらもフォローいただけると嬉しいです!
これからも皆様のお役に立てるよう、鋭意執筆して参ります!
今回ご紹介した以外にも、このブログではインド刺繍リボンを使った様々なレシピを公開しています!
ここには載せなかったミシンを使ったレシピも充実していますよ。
また、著書『インド刺繍リボンのこものたち』では、ブログでは公開していないレシピも複数掲載しています。
スマホの画面でレシピを見ていると気になる「勝手に画面が消えちゃってだるい」「縦長で見づらい」という弱点も、書籍であれば解決できます!
ご紹介しているレシピが良いなと思ったら、ぜひ書籍のご購入もよろしくお願いします!
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刺繍リボンのお店TRIP UTOPIA(トリップユートピア)では、様々なデザイン・カラー・太さの刺繍リボンの他、キット商品等も販売しています!
当ブログでレシピをご紹介している作品の中にもキット商品を展開しているものがございます。
材料選びに困ったり、お手間を減らしたいときにはぜひご活用ください。
皆様も作例・レシピを参考に刺繍リボンをお仕立てしてお楽しみください!
もし素敵なお仕立てができましたら、twitterやinstagramでハッシュタグ「#刺繍リボン誂え品」をつけて投稿していただけるととても嬉しいです!